
- 8 -
る有形固定資産の帳簿価額に加算された金額は当該有形固定資産と同一の方法で減価償却し、
割引前のキャッシュ・フローとの差額については、時の経過による資産除去債務の調整額と
して利息法により費用配分する方法が通常の処理方法となる。
しかしながら、特別の法令等により、除去サービスの費消の態様を考慮して当該有形固定
資産の使用に応じて各期間に適切に費用計上する会計方針を採用する場合、会計基準の通常
の処理方法による費用配分に照らし、会計上、合理的な費用配分と考えられる場合がある。
このため、本適用指針では、そのような場合には、特別の法令等に従った費用配分方法を採
用することができるものとした(第 8 項参照)。
ただし、その場合でも、貸借対照表における両建処理を妥当とする根拠が否定されるもの
ではないため、通常の処理方法による負債計上額に対する不足額があるときは、当該不足額
が資産除去債務に計上されることとなる。
(建物等賃借契約に関連して敷金を支出している場合の取扱い)
27. 資産除去債務とそれに対応する除去費用の会計処理と敷金の会計処理は、本来個別に行わ
れる必要があると考えられる。しかしながら、建物等の賃借契約において敷金を支出してい
る場合、賃借建物等に関連する資産除去債務とこれに対応する除去費用を負債及び資産とし
て両建処理すると、敷金と資産除去債務に対応する除去費用が二重に資産計上されるという
見方もある。本適用指針では、資産除去債務に係る実務負担を考慮し、賃借契約に関連する
敷金が資産に計上されている場合には、当該計上額に関連する部分について、当該資産除去
債務の負債計上及びこれに対応する除去費用の資産計上に代えて、当該敷金の回収が最終的
に見込めないと認められる金額を合理的に見積り、そのうち当期の負担に属する金額を費用
計上する方法によることができることとした(第 9 項参照)。
この処理による場合、当期の負担に属する金額は、同種の賃借建物等への平均的な入居期
間など合理的な償却期間に基づいて算定することが適当と考えられる。
なお、当該償却期間等を算定することが困難で、決算日現在で入手可能なすべての証拠を
勘案して最善の見積りを行ってもなお、合理的に金額を算定できない場合には、会計基準第
16 項(5)に定める開示を行う必要がある。
開 示
(資産除去債務のキャッシュ・フロー計算書上の取扱い)
28. キャッシュ・フロー計算書上、資産除去債務の履行については、「営業活動によるキャッシ
ュ・フロー」として取り扱う方法と、「投資活動によるキャッシュ・フロー」として取り扱う
方法が考えられる。現行の実務における資産の除去に関するキャッシュ・フローは、「営業活
動によるキャッシュ・フロー」として処理していることも多いと考えられ、また、投資活動
による支出は一般的には固定資産の取得時に発生するものであるため、除去時の支出を投資