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るにあたっては、そのような DCF 法を重視した算定方法も用いることができると考えら
れる。
32. 「不動産鑑定評価基準」では、取引事例比較法における時点修正にあたっては、事例に
係る不動産の存する用途的地域又は当該地域と相似の価格変動過程を経たと認められる
類似の地域における土地又は建物の価格の変動率を求め、これにより取引価格を修正す
べきであるとされている。本適用指針では、当該考え方に準じて、一定の調整をした金額
等をもって当期末における時価とみなすことができることとした(第 12 項参照)。
ただし、これは、第三者からの取得価額又は直近の原則的な時価算定による価額が適切
に算定されていることを前提として、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると
考えられる指標に重要な変動が生じていない場合又はその変動が軽微である場合の取扱
いである。したがって、当該指標等に重要な変動が生じている場合や稀ではあるものの取
得価額につき合理性が乏しいと考えられる場合は、原則的な時価算定(第 11 項参照)を
行わなければならないことに留意する必要がある。
また、いずれの場合でも、第三者からの取得時や直近の原則的な時価算定を行った時か
ら長期間経過した場合には、原則的な時価算定(第 11 項参照)の必要性が高まることに
留意する必要がある。
33. 開示対象となる賃貸等不動産のうち重要性が乏しいものについては、一定の評価額や
適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額を時価とみなすことがで
きる(第 13 項参照)が、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指
標に基づく価額には、容易に入手できる評価額や指標を合理的に調整したものも含まれ
る。また、建物等の償却性資産については、適正な帳簿価額をもって時価とみなすことが
できる。
なお、容易に入手できると考えられる評価額には、いわゆる実勢価格や査定価格などの
評価額が含まれ、また、容易に入手できると考えられる土地の価格指標には、公示価格、
都道府県基準地価格、路線価による相続税評価額、固定資産税評価額が含まれる。
34. 賃貸等不動産の時価を把握することが極めて困難な場合(第 14 項参照)としては、例
えば、現在も将来も使用が見込まれておらず売却も容易にできない山林や着工して間も
ない大規模開発中の不動産などが考えられるが、賃貸等不動産の状況は一様ではないた
め、状況に応じて適切に判断する必要があると考えられる。
賃貸等不動産に関する損益
35. 連結財務諸表において賃貸等不動産に関する損益を注記する場合には、連結損益計算
書における金額に基づくこととなり、また、管理会計上の数値に基づいて適切に算定した
額その他の合理的な方法に基づく金額によって開示することができる(第 16 項(1)参照)。
このため、例えば、複数の不動産について費用等を一括して把握している場合など、賃貸
等不動産の個々の損益を直接的に把握していない場合においては、連結損益計算書上の