2024 年 9 ⽉

移管指針第 13 号

特別⽬的会社を活⽤した不動産の流動化に係 る譲渡⼈の会計処理に関する実務指針につい てのQ&A

企業会計基準委員会

移 管 指 針 第 13号

特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に 関する実務指針についてのQ&A

2001年(平成13年)5月25日

改正 2014年(平成26年)11月4日

日本公認会計士協会

会 計 制 度 委 員 会

改正 2 0 2 4 年 7 月 1 日

最終改正 2 0 2 4 年 9 月 1 3 日

企業会計基準委員会

Q1:特別目的会社を活用した不動産の流動化において、譲渡人が不動産の譲渡取引を売 却取引として会計処理することが認められるのはいかなる場合ですか。また、その場 合の具体的な判断について特に留意すべき点は何ですか。

A:不動産が特別目的会社に適正な価額で譲渡されており、かつ、当該不動産に係るリスク

と経済価値のほとんどすべてが、譲受人である特別目的会社を通じて他の者に移転してい

る場合に、譲渡人は不動産の譲渡取引を売却取引として会計処理することが認められてい

ます。

リスクと経済価値の移転についての判断にあたっては、リスク負担を流動化する不動産

がその価値のすべてを失った場合に生じる損失であるとして、以下の算式で示したリスク

負担割合によって判定し、流動化する不動産の譲渡時の適正な価額(時価)に対するリス

ク負担の金額の割合がおおむね5%の範囲内であれば、リスクと経済価値のほとんどすべ

てが他の者に移転しているものとして取り扱うこととなります。

リスク負担割合 =

リスク負担の金額

流動化する不動産の譲渡時の適正な価額(時価)

Q2:譲渡人が譲渡不動産について開発を行い開発コストも負担する場合で、譲渡物件が 開発物件に一体として包含されているようなときには、リスク負担割合はどのように 算定すべきですか。

A:このようなケースでは、全体の開発コストのうち、譲渡人が負担すべき金額をリスク負

担の金額と考えるべきであり、リスク負担割合の算定は以下の算式によって行うこととな

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ります。

開発を行っている場 合のリスク負担割合

全体の開発コストのうち譲渡人が負担すべき金額

合理的に見積可能な開発物件の譲渡時の適正な価額(時価)

なお、合理的に見積可能な開発物件の譲渡時の適正な価額については、例えば、経済情

勢を反映した適切な開発計画における販売時価に基づいて合理的に算定された時価による

ことが考えられます。

Q3:不動産の譲渡時において契約書上の出資金額等から算定される譲渡人のリスク負担 割合は移管指針第10号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計 処理に関する実務指針」(以下「実務指針」という。)の許容範囲内であるが、追加出 資や追加負担となるリスクに該当がある場合はどのような点に留意して判断を行うべ きですか。

A:不動産の譲渡時において契約書上の出資金額等から算定される譲渡人のリスク負担割合

が実務指針の許容範囲内であっても、追加出資の可能性がある場合や他の名目でありなが

ら実質的に追加負担となるリスクに該当する場合には、当該追加出資や追加負担リスクを

加味してリスク負担割合を算定した上で実務指針の許容範囲内か否かを判断することとな

ります。

なお、上記の場合のほか、当初の不動産流動化スキームの前提が中途又は更新時に大き

く変化することが確実とされる契約内容となっている場合には、譲渡時に実態に応じた判

断を行うことに留意することが必要となります。

Q4:特別目的会社を活用した不動産の流動化の後に譲渡人が譲渡不動産のリースバック

を行う場合は、いかなる事項に留意すべきですか。

A:リースバックであれば継続的関与があるものと判定されますが、その場合でも、不動産

のリスクと経済価値のほとんどすべてが貸手である特別目的会社を通じて他の者に移転し

ているならば、売却処理そのものを否定すべきでないと考えられることから、当該リース

バックにおいて、次のすべての要件を満たすとき、かつ、その限りにおいて、当該不動産

のリスクと経済価値のほとんどすべてが譲渡人(借手)から譲受人である特別目的会社を

通じて他の者に移転していると認められることとなっています。

(1) リースバックが、譲渡人(借手)が当該不動産からもたらされる経済的利益のほとん

どすべてを享受することができるリースに該当しないこと

(2) リースバックが、譲渡人(借手)が当該不動産の使用に伴って生じるコストのほとん

どすべてを負担することとなるリースに該当しないこと

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(3) 譲渡人(借手)が適正な賃借料を支払うこととなっていること

この取扱いは、譲渡人(借手)が自ら使用する目的である場合のほか、事業の目的で他

の者に転貸している場合にも適用することが認められます。

また、適正な賃借料については、独立した第三者間における通常の取引と同等の条件に

よる賃借料が該当するものと考えられます。

なお、リースバックを行う不動産の流動化スキームにおいて、次のいずれの要件も満た

す場合に、適正な賃借料を支払うこととなっていること以外の継続的関与があるときには、

当該継続的関与に伴って生じるリスク負担に基づいて、リスクと経済価値の移転について

判断を行うことが必要です。

(1) リースバックが、譲渡人(借手)が当該不動産からもたらされる経済的利益のほとん

どすべてを享受することができるリースに該当しないこと

(2) リースバックが、譲渡人(借手)が当該不動産の使用に伴って生じるコストのほとん

どすべてを負担することとなるリースに該当しないこと

Q5:削 除

Q6:投資信託又は投資法人を活用した不動産の流動化の会計処理について、実務指針第 26項では「本実務指針においては直接的には対象としていないが、今後の法令等の整 備に対応して会計処理を検討すべきものと考える。」とありますが、当面は、どのよう な点に留意して会計処理に関する判断を行うべきですか。

A:次の点に留意すべきと考えます。

(1) 投資信託又は投資法人は、「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づくものであり、

「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社とは根拠となる法律が異なってい

ることと、事業内容の変更が特定目的会社に比して特に制限されていないことから、企

業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」第7-2項及び財務諸表等の用語、様

式及び作成方法に関する規則第8条第7項に掲げられている特別目的会社(特定目的会

社及び事業内容の変更が制限されているこれと同様の事業を営む事業体をいう。)には該

当しないものと考えられます。

(2) 投資信託又は投資法人は特定目的会社に該当しないものと考えられるため、これらを

活用した不動産の流動化については、実務指針は適用されないこととなります。

(3) 会計処理については、当面、監査委員会報告第27号「関係会社間の取引に係る土地・

設備等の売却益の計上についての監査上の取扱い」第2項に記載されているような留意

事項に基づいて総合的に判断すべきものと考えます。

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以 上

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