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使用の有無にかかわらず借手はリース料の支払義務を負い、キャッシュ・フローは
固定されているため、借手は債務を計上すべきである。
(2) 本来、代替的な処理が認められるのは、異なった経済実態に異なる会計処理を適
用することで、事実をより適切に伝えられる場合であるが、例外処理がほぼすべて
を占める現状は、会計基準の趣旨を否定するような特異な状況であり、早急に是正
される必要がある。
BC5. 審議の過程では、主として、我が国のリース取引は資金を融通する金融ではなく物を
融通する物融であり、諸外国のファイナンス・リースと異なり賃貸借としての性質が強
いことを理由とし、例外処理を存続すべきとの意見も表明された。また、リース契約を
通じたビジネスの手法が確定決算主義をとる税制と密接に関係してきたため、会計上の
情報開示の観点のみでは結論を得ることが難しい課題であった。
BC6. 当委員会では、4 年にわたりこのテーマを審議し、その間、2004 年 3 月に「所有権移
転外ファイナンス・リース取引の会計処理に関する検討の中間報告」を公表し、また、
2006 年 7 月に試案「リース取引に関する会計基準(案)」、2006 年 12 月に企業会計基準
公開草案第 17 号「リース取引に関する会計基準(案)」を公表した。審議の過程では、
関係各方面からの意見聴取も行い、我が国のリース取引の実態を踏まえ議論を行ってき
たが、1993 年リース取引会計基準において認められていた例外処理を廃止するとの結論
に至り、2007 年 3 月に企業会計基準第 13 号として公表した。
本会計基準の公表
BC7. 国際会計基準審議会(IASB)は、2016 年 1 月に国際財務報告基準(IFRS)第 16 号「リ
ース」(以下「IFRS 第 16 号」という。)を公表し、米国財務会計基準審議会(FASB)は、
同年 2 月に FASB Accounting Standards Codification(FASB による会計基準のコード
化体系)の Topic 842「リース」(以下「Topic 842」という。)を公表した。
IFRS 第 16 号と Topic 842 とでは、借手の会計処理に関して、主に費用配分の方法が
異なるものの、原資産の引渡しにより借手に支配が移転した使用権部分に係る資産(使
用権資産)と当該移転に伴う負債(リース負債)を計上する使用権モデルにより、オペ
レーティング・リースも含むすべてのリースについて資産及び負債を計上することとし
ている。
IFRS 第 16 号及び Topic 842 の公表により、これらの国際的な会計基準と我が国のリ
ース会計基準とは、特に負債の認識において違いが生じることとなり、国際的な比較に
おいて議論となる可能性があった。この点、2016 年 3 月に開催された第 26 回基準諮問
会議において企業会計基準第 13 号等の見直しについて議論が行われ、これを受け、当
委員会は 2016 年 8 月に公表した中期運営方針において日本基準を国際的に整合性のあ
るものとするための取組みに関する今後の検討課題の 1 つとしてリースに関する会計基
準を取り上げることとした。その後、2017 年 12 月開催の第 375 回企業会計基準委員会