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担保等の信用補完の状況、期日経過又は減損の発生状況等に関する事項の注記を求めてい
る。この点、本適用指針では、金融商品に係る信用リスクに関する定量的情報として、信
用リスクが著しく集中している場合の注記や、当該リスクに関連し得る情報として、金融
資産の貸借対照表計上額(本適用指針第 4 項(1)参照)、有価証券の減損処理額(本適用指
針第 4 項(2)⑤参照)の注記を求めている。これら以外の信用リスクに関する定量的情報
についても、既に他の会計基準等に従い開示されているものもあり、それらの会計基準等
を参照することとなる。例えば、貸借対照表日現在の最大信用リスクに関しては、債務保
証の注記(企業会計原則 第三 貸借対照表原則 一 C)が、また、担保の状況に関しては、
融資等に関連して受け入れた担保の一部の注記(移管指針第 9 号「金融商品会計に関する
実務指針」(以下「金融商品実務指針」という。)第 28 項)がある。
15. これまで、時価のない有価証券でリスクが高いものを保有している場合における当該有
価証券の商品性(金利、償還期限等)に係る説明や、デリバティブ取引の対象物の価格変
動に対する当該取引の時価の変動率が大きい特殊な取引に係るリスクの説明は、注記する
こととされていた。本適用指針においても、この考え方を引き継ぐものとしている。
なお、デリバティブ取引の対象物は、基礎数値や原資産と呼ばれることも多い。
16. 企業によっては、金融商品に係るリスク管理において、ベーシス・ポイント・バリュー
(例えば、金利が 1 ベーシス・ポイント(0.01%)変化したときの価値の変動)のほか、
バリュー・アット・リスク(市場の変動等に基づき、今後の一定期間において特定の確率
で、ある金融商品に生じ得る損失額の推計値)などを利用している場合がある。
国際財務報告基準では、リスクが重要性に乏しい場合を除き、金利等のリスク変数の変
動を合理的な範囲で想定した際の損益等への影響といったベーシス・ポイント・バリュー
に類似した情報、又は、それに代えてバリュー・アット・リスクを市場リスクの管理に利
用している場合には、企業の判断でその情報の開示を行うこととしている。
このような金融商品に係る市場リスクの定量的情報がその手法や仮定とともに開示さ
れれば企業分析において有用な情報であるとの意見がある。また、銀行については財務諸
表の注記でないものの他の制度によりリスクの定量的情報が開示されていることも多い
が、他業態については、同様の情報が入手しにくいといった状況があるとの意見がある。
その一方で、これらは仮定に基づく情報であり本来的な会計数値とは異なるとの意見もあ
る。
17. 本適用指針では、第 3 項(3)の第 2 段落で示された企業においては、例えば、ベーシス・
ポイント・バリューやバリュー・アット・リスク等に基づいて、経営者が市場リスクに関
する定量的分析を利用したりリスク変数の変動に対応したりできるように、リスク管理を
行っている場合を想定し、当該分析に基づく定量的情報の注記を求めることとした。これ
は、このような情報を内部のリスク管理に利用している場合には、経営者の視点に立った
情報の開示となるとともに追加的な事務負担が少ないといった長所があること、財務諸表
本体とともに開示されることによりその有用性をさらに高めることが期待されること、こ