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「新株予約権の発行価額は負債の部に計上し、権利が行使されたときは資本金又は資
本金及び資本準備金に振り替え、権利が行使されずに権利行使期限が到来したときは
利益として処理する。ただし、純資産会計基準の適用後は、新株予約権の発行価額は
純資産の部に計上することになるので、負債の部に計上している新株予約権の帳簿価
額は純資産の部に振り替える。」
なお、新株予約権が行使された場合、その発行価額は株式発行の対価としての性格が認
められる。このため、旧商法では新株予約権の発行価額とその行使に伴う払込金額との合
計額の一株当たりの額をその新株一株の発行価額とみなしており(旧商法第 280 条ノ 20 第
4項)、新株の発行価額中資本に組み入れない額を決議している場合(旧商法第 280 条ノ 20
第 2 項第 10 号)には、新株の発行価額を資本及び資本準備金に組み入れる(旧商法第 284
条ノ 2 第 2 項及び第 288 条ノ 2 第 1 項第 1 号)が、それ以外の場合には新株の発行価額の
総額を資本に組み入れる(旧商法第 284 条ノ 2 第 1 項)ことに留意する必要がある。
また、新株予約権が行使され、自己株式を処分する場合の自己株式処分差額の会計処理
は、自己株式を募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて取り扱う(企業会計
基準第 1 号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」(最終改正平成 17 年 12
月 27 日)第 9 項から第 11 項)。なお、自己株式処分差額を計算する際の自己株式の処分の
対価は、新株予約権の発行に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額の合計とす
る。
(2) 取得者側の会計処理
改正前金融商品会計基準は、新株引受権を単独で取得した場合の会計処理については明
示していないが、新株予約権を以下のように会計処理することが適当であると考えられる。
「新株予約権は、有価証券の取得として処理するものとする。権利を行使したときは
株式に振り替える。」
これは、新株予約権証券が新株引受権証書と同様に、有価証券に該当する(証券取引法
第 2 条第 1 項第 6 号)ため、金融商品会計基準及び移管指針第 9 号「金融商品会計に関す
る実務指針」(以下「金融商品会計実務指針」という。)の有価証券に係る規定により認識・
測定されるという考え方に基づいている。したがって、新株予約権は、取得時に時価で測
定し(金融商品会計実務指針第 29 項)、保有目的の区分に応じて売買目的有価証券又はそ
の他有価証券として会計処理する。また、新株予約権の権利が行使されたときは、保有目
的区分に応じて、売買目的有価証券の場合には行使時の時価で、その他有価証券の場合に
は帳簿価額(金融商品会計実務指針第 57 項(4))で株式に振り替え、権利行使されずに権
利行使期限が到来したときは、帳簿価額(金融商品会計実務指針第 91 項に基づき減損処理
している場合には、減損処理後の帳簿価額)を損失として処理する。なお、時価の算定に
ついては、新株予約権が株式に対するコール・オプションとしての性格を有するため、デ
リバティブ取引に対する評価方法に準じて行うことが適当と考えられる。
(3)新株予約権の消却に係る会計処理
新株予約権が権利行使期限到来前に消却された場合には、その効力が生じたときに消滅