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した債権の帳簿価額と取得した株式の時価の差額を当期の損益として処理し、当該株式
は時価で計上されることとなる(金融商品会計基準第 11 項から第 13 項、金融商品実務
指針第 29 項及び第 37 項)。
ここでいう消滅した債権の帳簿価額は、取得原価又は償却原価から貸倒引当金を控除
した後の金額をいう(金融商品実務指針第 57 項(4)参照)。なお、控除する貸倒引当金に
は、貸倒懸念債権、破産更生債権等に対して個別に引当てたもののみならず、例えば、
銀行等金融機関における要管理先に対する債権に係る貸倒引当金など総括的な引当金の
うち当該債権に対応する部分も含まれる。また、デット・エクイティ・スワップを行う
にあたり、債権者が一定額の債権放棄を行う場合には、当該債権放棄後の帳簿価額をい
う。
(3) 取得した株式の取得時の時価
取得した株式の取得時の時価は、算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行わ
れると想定した場合の、当該取引における資産の売却によって受け取る価格とする(金
融商品会計基準第 6 項)。
当該時価を算定するにあたっては、市場参加者が算定日において当該資産又は負債の
時価を算定する際に考慮する当該資産又は負債の特性を考慮する(企業会計基準適用指
針第 31 号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」第 4 項(1))ために、債権放棄額
や増資額などの金融支援額の十分性(例えば、実質的な債務超過を回避したと考えられ
るかどうか。)、債務者の再建計画等の実行可能性(例えば、近い将来に完了することが
予想されるかどうか。)、株式の条件(例えば、優先株式の場合は配当や償還の条件、普
通株式への転換の条件など)等、市場参加者が考慮する要因を適切に考慮したうえで、
時価を算定する
(注1)
。この場合、本実務対応報告が対象とするデット・エクイティ・ス
ワップについては、債務者が財務的に困難な場合に債務者の再建の一手法として行われ
ており、債権者が取得する債務者の発行した株式の時価は、消滅した債権に関する直前
の決算期末(中間期末を含む)の帳簿価額
(注 2)
を上回らないと想定される。すなわち、
実行時点において利益が発生するのは、極めて例外的な状況に限られることとなる。
(注1)
この時価の算定は、市場価格のない株式等の減損処理における発行会社の財政状態
の悪化の判断や回復可能性の判定(金融商品実務指針第 92 項参照(これに係る移管指
針第 12 号「金融商品会計に関する Q&A」Q33 及び Q34 も参照のこと。))とは異なること
に留意する必要がある。
(注 2)
債権放棄後、債権の一部についてデット・エクイティ・スワップが実行された場合
で、残った債権の回収可能性が直前の決算期末(中間期末を含む)に比べ大きく改善さ
れないようなケースでは、単に債権放棄後の帳簿価額をさすのではなく、消滅した当該
債権の一部分の取得原価又は償却原価に、直前の決算期末(中間期末を含む)の当該債
権全体の帳簿価額(帳簿価額については、「(2)取得した株式の取扱い」を参照のこと。)