A:原則としては金利スワップ部分を区分してヘッジ会計を適用することになりますが、特例処理と
振当処理の要件をともに満たす場合には、一体処理も認められると考えられます。通貨スワップは
異なる通貨間において金利及び元本を交換する取引ですが、このうち、交換する金利の組み合わせ
として固定金利と変動金利を交換するものを金利通貨スワップといいます。金利通貨スワップをヘ
ッジ目的で利用する場合、すなわちヘッジ対象である外貨建利付資産又は利付負債の金利変動リス
ク、為替変動リスクそれぞれのヘッジを目的として利用する場合において、金利通貨スワップの時
価評価差額のうちそれぞれのリスクに応じた部分を区分することができれば、それぞれの部分につ
いて区分して会計処理を行うことになります。すなわち、金利変動リスク部分については、ヘッジ
対象である利付資産又は利付負債の金利変動リスクのヘッジとして、原則的なヘッジ会計の方法(繰
延ヘッジ)によって処理することになります。また、為替変動リスク部分については、外貨建の利
付資産又は利付負債は決算日レートで換算しますが、金利通貨スワップのうち為替変動リスク部分
については原則どおり時価評価、純損益処理することにより、結果として両者の純損益の計上時期
は一致することになり、ヘッジ会計は適用しないことになります。なおこの場合、金利変動リスク
部分については、ヘッジ会計を適用するため、ヘッジ会計の要件を満たすか否かの判定をすること
になりますが、為替変動リスク部分については、ヘッジ会計の要件の判定は要しないことになりま
す。
ただし、金利スワップが金利の変換の対象となる資産又は負債と元本金額、金利の受払条件、契
約期間等がほぼ同一である場合には、当該金利スワップを時価評価せず、ヘッジ対象と一体として
処理する特例処理が認められています(実務指針第177項)。また、通貨スワップについても、通貨
スワップ契約時における支払円貨額又は受取円貨額と通貨スワップ契約満了時における受取円貨額
又は支払円貨額が同額である直先フラット型及び通貨スワップ契約により当該契約期間満了日に支
払うべき円貨額又は受け取るべき円貨額が、当該外貨建金銭債権債務の支払日又は受取日を期日と
する為替予約による円貨額と同等と認められる為替予約型については、通貨スワップを時価評価せ
ず、振当処理を採用することができるとされています(外貨建実務指針第6項)。したがって、金利
通貨スワップがヘッジ対象である外貨建利付資産又は利付負債の金利変動リスク部分について金利
スワップの特例処理の要件を満たし、かつ、為替変動リスク部分についてもヘッジ対象である外貨
建利付資産又は利付負債の元利金を円貨額に固定するような通貨スワップにより振当処理の要件を
ともに満たす場合には、当該金利通貨スワップを時価評価せず、ヘッジ対象である外貨建利付資産
又は利付負債と一体として処理することもできるものと考えられます。