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ただし、取得の対価のうち現金の額が僅少である場合、その経済的実態は取得の対価が
自社の株式のみの場合と変わらないため、本適用指針では、これに準じて取り扱うものと
している(第 23 項(3)ただし書き参照)。
52. 前項①と②に加えて、③現金の交付がすべて社債部分の取得に充てられ、自社の株式の
交付がすべて新株予約権部分の取得に充てられるように、現金と自社の株式を対価とする
それぞれの部分があらかじめ明確にされ、これらの額が経済的に合理的な額と乖離してい
ない場合には、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使されたときに準
じて処理することとした(一括法の場合)(第 23 項(3)また書き参照)。
審議の過程においては、前段の要件を満たしている場合で、当該転換社債型新株予約権
付社債を社債部分と新株予約権部分に区分して処理しているときには、現金のみが充てら
れる社債部分は当該現金による繰上償還と捉え、自社の株式のみが充てられる新株予約権
部分は新株予約権の行使と捉えるのが適当であり、また、同一の取引であれば一括法と区
分法は同様の考え方で行うことが適当であるので、前段の会計処理を行うことになるので
はないかという意見があった。一方で、現金と自社の株式を対価とする場合には、株式転
換権が行使された場合に自社の株式のみが交付される従来の転換社債とは異なるため、少
なくとも一括法において前段の会計処理は適当ではないという意見もあった。
本適用指針において定めた当該会計処理は、転換社債型新株予約権付社債において一括
法と区分法の双方が認められている金融商品会計基準を前提とした上で、国際的な会計基
準における取扱いとの関係などを考慮したものであるが、今後、仮に一括法と区分法の選
択適用自体が見直される場合には、当該会計処理についても再考する必要がある。
53. 一方、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、自社の株式の市場
価格が転換価格以下の場合において現金と自社の株式を対価として当該転換社債型新株
予約権付社債を取得するときには、転換社債型新株予約権付社債権者が、当該転換社債型
新株予約権付社債に付された新株予約権を行使することと経済的実質が同一であるとは
いえないので、発行者は自己社債の取得(区分法の場合は、加えて自己新株予約権の取得)
に準じて処理することとなる。
(転換社債型新株予約権付社債権者側の会計処理)
54. 転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、発行者の株式の市場価格
が転換価格を上回る場合において当該転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約
権の目的である発行者の株式の数を交付することにより当該転換社債型新株予約権付社
債を取得するときは、転換社債型新株予約権付社債権者が、当該転換社債型新株予約権付
社債に付された新株予約権を行使することと経済的実質が同一である。これらを踏まえ、
本適用指針では、発行者による取得の対価が発行者の株式の場合の転換社債型新株予約権
付社債権者側の会計処理は、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権を行使し
た場合に準ずることとした(第 24 項(2)参照)。
55. また、転換社債型新株予約権付社債の発行者が、取得条項に基づき、発行者の株式の市
場価格が転換価格を上回る場合において現金と発行者の株式を交付することにより当該