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きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取扱いを定めることとした。
25. また、IFRS 第 13 号では公正価値という用語が用いられているが、本会計基準では代わ
りに時価という用語を用いている。これは、我が国における他の関連諸法規において時価
という用語が広く用いられていること等を配慮したものである。
Ⅰ.範 囲
26. 国際的な会計基準では、公正価値の測定及び開示の首尾一貫性を高めるために、公正価
値の測定が求められる(又は認められる)項目のうち、一部の項目を除いてすべての公正
価値の測定及び開示に対して IFRS 第 13 号又は Topic 820 が適用され、金融商品のみなら
ず固定資産等の公正価値測定も当該基準の範囲に含まれている。
ここで、金融商品については、国際的な会計基準と整合させることにより国際的な企業
間の財務諸表の比較可能性を向上させる便益が高いものと判断し、会計基準の範囲に含め
ることとした(第 3 項(1)参照)。そのため、例えば、年金資産については、その額を期末
における時価により計算することとされており(企業会計基準第 26 号「退職給付に関す
る会計基準」第 22 項)、金融商品が年金資産を構成する場合には、当該金融商品の時価の
算定に本会計基準が適用される。
一方、金融商品以外の資産及び負債について、時価の算定が求められる主要な項目とし
ては、賃貸等不動産の時価の開示(企業会計基準第 20 号「賃貸等不動産の時価等の開示に
関する会計基準」)や企業結合における時価を基礎とした取得原価の配分(企業会計基準第
21 号「企業結合に関する会計基準」第 28 項)が挙げられる。賃貸等不動産については時
価の開示が求められるものの、貸借対照表には時価で計上されず損益にも影響を及ぼさな
いこと、また企業結合における時価を基礎とした取得原価の配分については当初認識時の
みの処理であり、毎期時価の算定が求められるわけではないことなどから、金融商品に比
して国際的に整合性を図る必要性は高くないと考えられる。これらを含む金融商品以外の
資産及び負債を本会計基準の範囲に含めた場合の整合性を図るためのコストと便益を考
慮し、原則として、金融商品以外の資産及び負債は本会計基準の範囲に含めないこととし
た。
27. ただし、棚卸資産会計基準におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産については、
売買目的有価証券と同様に毎期時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益
とする処理が求められており(棚卸資産会計基準第 15 項)、時価の算定についても金融商
品と整合性を図ることが適切と考えられることから、本会計基準の範囲に含めている(第
3 項(2)参照)。
他方で、これに類似する実務対応報告第 38 号「資金決済法における暗号資産の会計処
理等に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第 38 号」という。)における暗号資産に
ついては、現時点では、取引が最も活発に行われている暗号資産取引所又は暗号資産販売
所における取引価格等を決定することは困難であると考えられることから、通常使用する