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最終更新日:2025/03/31

企業会計審議会

外貨建取引等会計処理基準

外貨建取引等会計処理基準の設定について

昭和54年6月26日

企業会計審議会

一 経 緯

1.  当審議会においては、昭和43年5月以降、外貨建取引に係る会計処理の基準及び外貨表示財務諸表

項目に関する円換算の基準を「企業会計上の個別問題に関する意見」(以下、「個別意見」という。)の形

で次のとおり公表してきた。

(1)

個別意見第1「外国通貨の平価切下げに伴う会計処理に関する意見」(昭和43年5月2日)。こ

れは、昭和42年11月にポンドの平価切下げが行われたことに伴い、当面必要とされる主な会計処理

基準を示したものである。

(2)

個別意見第3「外国為替相場の変動幅制限停止に伴う外貨建資産等の会計処理に関する意見」

(昭和46年9月21日)。これは、米国の金兌換停止措置のために、昭和46年8月28日から外国為替

の売買相場について、基準外国為替相場の上下1%という従来の変動幅の制限を暫定的に停止する

措置が採られたことに伴つて、企業会計上必要とされる主な会計処理基準を示したものである。

(3)

個別意見第4「基準外国為替相場の変更に伴う外貨建資産等の会計処理に関する意見」(昭和46

年12月24日)。これは、スミソニアン10か国蔵相会議の合意に基づき、昭和46年12月20日に、基準

外国為替相場を従来の1米ドルにつき360円から308円に変更する措置が採られたことに伴つて、企

業会計上必要とされる主な会計処理基準を示したものである。

(4)

個別意見第5「現行通貨体制のもとにおける外貨建資産等の会計処理に関する意見」(昭和47年

7月7日)。これは、外国為替の売買相場の変動幅を基準外国為替相場の上下2.5%とする国際通

貨体制のもとでの決算処理上必要とされる主な会計処理基準を示したものである。

(5)

個別意見第6「外国為替相場の変動幅制限停止中における外貨建資産等の会計処理に関する意

見」(昭和48年3月29日)。これは、昭和48年2月14日に外国為替の売買相場について、基準外国

為替相場の上下2.5%という従来の変動幅の制限が停止されたことに伴い、この措置のもとでの決

算処理上必要とされる主な会計処理基準を示したものである。

2.  上記の各個別意見における外貨建取引等に関する会計処理基準は、ポンドの平価切下げ、為替変動

幅の制限停止、基準外国為替相場の決定、変動相場制への移行等、重要な外国為替環境の変化に随時対処す

るためにとりまとめられたものである。したがつて、それらの会計処理基準は、当面必要とされる事項に限

られていたため、いずれ適当な時期に、外貨建取引等に関する一般的、かつ、包括的な会計処理基準を設定

すべき必要性に迫られていたところである。

3.  国際通貨体制としてのいわゆる変動相場制は、最近かなり定着してきており、また、わが国企業の

海外活動も、この制度に慣熟し、外国為替市場の変化に適応した海外活動を行うに至つているように思われ

る。そこで当審議会としては、この客観情勢に即応した海外活動の包括的・一般的な会計処理基準を示すと

ともに、併せて、昭和53年3月期以降実施された連結財務諸表制度に関連して、在外子会社等の外貨表示財

務諸表項目の換算の基準を示す必要を考慮し、外貨建取引等の会計処理及び財務諸表表示に関する一般に公

正妥当と認められる基準として、ここに「外貨建取引等会計処理基準」を公表する次第である。

二 「外貨建取引等会計処理基準」の性格

1.  当審議会において「外貨建取引等会計処理基準」をとりまとめるにあたつては、既に公表された個

別意見、特にその個別意見第6に示された考え方を基調として審議を進めたが、外貨建取引等に係る包括

的・一般的な会計処理基準を設定する際の基本的な考え方に関して特に問題になつた事項は、次の諸点であ

る。

(1)

決算時の外貨換算に際していかなる為替相場を選択・適用すべきかについては、流動・非流動

法、貨幣・非貨幣法、テンポラル法、決算日レート法等があるが、これらのうちいずれの方法を採

るべきか

(2)

外貨建取引の発生日から当該取引に係る外貨建金銭債権債務の決済日に至るまでの間の為替相場

の変動による為替差異すなわち為替換算差額及び為替決済損益の処理にあたり、2取引基準及び1

取引基準のうちいずれの基準を採るべきか

(3)

為替相場の変動を企業会計上認識するにあたり、当該変動が企業会計に与えた確定的な影響すな

わち為替決済損益のみを認識する考え方及び為替換算差額等当該変動が企業会計に与えている暫定

的な影響をも認識する考え方のうちいずれの考え方を重視すべきか

これらの問題に関し、当審議会がいかなる考え方を採択したかについて結論を要約すれば、本基準では、

(1)については本店及び在外支店の外貨建又は外貨表示貨幣項目の換算に関して貨幣・非貨幣法に流動・非

流動法を加味した考え方を採択し、また在外支店のたな卸資産、有形固定資産等の非貨幣項目の換算に関し

てテンポラル法の考え方を採択し、さらに在外子会社等の外貨表示財務諸表項目の換算に関してテンポラル

法の考え方を一部修正したものを採択することとした。

(2)については、外貨建取引と当該取引から生ずる外貨建金銭債権債務等に係る為替差異の発生は、それ

ぞれ別個のものとして処理するという2取引基準の考え方を採つた。

以上、(1)及び(2)の問題のうち特に(1)の問題について本基準が採択した考え方は、結局、(3)に掲げた問

題点をどのように考えるかに大きく依存しているところである。今日の企業会計においては、損益計算上不

確実な換算差益を計上しないという単純な考え方は採られておらず、むしろ最近では企業内容の開示の観点

から公表財務諸表において企業の財務内容の判断に必要なすべての情報の開示を強調する考え方が高まつて

きている。これらの点を併せ考慮し、上記(3)に述べた2つの考え方のうち、後者の考え方も十分に考慮に

入れる必要があるとの立場を採り、為替変動の暫定的な影響をも認識することが妥当であるとの考え方を採

択した。前記(1)及び(2)の問題に関する当審議会の結論は、(3)に関するこのような考え方を反映している

ものである。

ただし、為替相場の変動によつて生じた換算差額が不確実なものであるという考え方を考慮すれば、本基

準によつて算出された換算差額については、これを確定的な利益として認識するかどうかに関して別途の考

慮を必要とする場合もあろう。

2.  本基準は、現行の変動相場制のもとで通常生ずる為替相場の変動の枠内における包括的・一般的な

会計処理及び開示の基準を指示したものであり、したがつて著しい為替相場の変動が生じた場合、通貨体制

が変更された場合等、本基準を適用することが適当でないと認められる場合は、別途適切な措置を講ずるこ

とが必要となるであろう。

なお、外国為替の売買取引又は外貨建売買取引を主たる営業活動として営んでいる企業においては、外国

為替相場の変動に対処するための企業活動に特殊性があり、本基準に示された会計処理及び表示方法をその

まま適用することが適当でないこともあると考えられる。かかる場合には、他の合理的な会計処理及び表示

方法を採ることが認められる。

外貨建取引等会計処理基準の改訂について

平成7年5月26日

企業会計審議会

Ⅰ 経 緯

1.  当審議会は、昭和54年6月26日、外貨建取引等の会計処理及び財務諸表表示に関する基準として

「外貨建取引等会計処理基準」を設定し、昭和58年12月22日、外貨建長期金銭債権債務等に為替予約を付し

た場合の会計処理方法に関して、同基準の注解の追加を行った。

その後、外貨建取引等をめぐる内外の環境は、著しく変化した。すなわち、昭和59年の先物為替取引に係

るいわゆる「実需原則」の撤廃、通貨オプション・通貨スワップ等の外貨建金融商品の出現、対外直接投資

の拡大と在外子会社の位置づけの変化等、現行基準の設定当時には予測しえなかった多くの新しい事態が生

じた。

2.  当審議会は、こうした状況に鑑み、平成6年3月の総会において、「外貨建取引等会計処理基準」

の見直しを審議事項とすることを決定した。これを受けて、同年4月以降、当審議会は、第1部会及び同小

委員会において、外貨建取引等の現状、現行基準の問題点及び諸外国の会計基準等を調査検討しつつ、現行

基準の見直しについて鋭意審議を重ね、本年2月、審議の結果を「外貨建取引等会計処理基準改訂案」とし

て取りまとめてこれを公表し、広く各界からの意見を求めた。

第1部会及び同小委員会は、各界から寄せられた多数の意見を参考にしつつ更に審議を行い、「改訂案」

を一部修正してここに改訂「外貨建取引等会計処理基準」(以下「改訂基準」という)を取りまとめ、公表

することとした。

Ⅱ 改訂基準の要点と考え方

現行基準と対比しつつ、改訂基準の要点と考え方を示すと、以下のとおりである。

1. 外貨建取引の換算基準

(1)

外貨建取引の処理基準としては、2取引基準の考え方を踏襲した。取引発生時以前に為替予約等

を付することにより決済円貨額が確定している取引については、当該円貨額を付するという処理も

現行基準のとおりである。この処理は1取引基準の考え方によるものであるとの指摘もあるが、こ

のような取引は事実上の円建取引と考えられるため、現行基準の処理法を踏襲した。

(2)

決算時の換算基準は、現行基準と同様に、外貨建長期金銭債権債務については取得時又は発生時

の為替相場、外貨建短期金銭債権債務については決算時の為替相場によることとした。ただし、外

貨建長期金銭債権債務に重要な為替差損が生じているときは、決算時の為替相場により換算し、為

替差損を認識することとした。これは、そのような重要な為替差損は、将来回復されるという確実

な見通しがない限り、それが生じた期に認識すべきであるという考え方に基づいている。なお、こ

の為替差損を認識するための会計処理としては、外貨建長期金銭債権債務を決算時の為替相場によ

り換算することに代えて、引当金を設定するという処理も考えられるが、今回の改訂基準は外貨建

金銭債権債務の換算という枠内にとどめることとして、この考え方はとらなかった。

(3)

為替予約の処理法としては、現行基準のいわゆる振当処理による方法を踏襲した。これは、わが

国の実務において振当処理による方法が定着していることを考慮したためである。ただし、恣意的

な振当を排除するため、決算時における包括予約は、原則として貸借対照表に計上されている外貨

建金銭債権債務に振り当てることとした。

外貨建金銭債権債務に為替予約が付された場合における為替予約による円貨額と取得時または発

生時の為替相場による円貨額との差額の処理については、短期・長期を問わず外貨建金銭債権債務

の予約時までの為替相場の変動による為替差損益を予約時に認識すべきであるという考え方もあ

る。しかし、現行基準に基づく実務を考慮し、また、外貨建長期金銭債権債務は取得時または発生

時の為替相場により換算し、為替相場の変動による損益は原則として認識しないという立場から、

外貨建長期金銭債権債務に係る為替予約については、予約時までの為替相場の変動による為替差損

益を含めて期間配分するという現行基準の処理法を踏襲した。

(4)

為替相場の変動による損益を減殺する手段である通貨オプション、通貨スワップについても、為

替予約に関する現行基準の考え方に沿って、振当処理による方法の枠内で減殺効果を反映させる処

理基準を示した。すなわち、通貨スワップ及び権利行使が確実に見込まれる買建通貨オプションに

ついては、為替予約と同様の処理を行うこととした。

(5)

外貨建金銭債権と外貨建金銭債務を対応させることにより為替相場の変動による損益を減殺させ

ている場合については、外貨建金銭債権債務の例外的な換算基準を折り込むことによって減殺効果

を反映させる処理基準を示した。その1つは、外貨建長期金銭債権債務等について重要な為替差損

を認識するに際して、対応する同一通貨建ての外貨建長期金銭債権債務等に係る為替差益を考慮す

ることとしたことである。また、もう1つは、外貨建長期金銭債権債務等の為替差損益を減殺する

目的で保有していると認められる同一通貨建ての外貨建短期金銭債権債務について、一定の要件を

満たすものについては、これを換算上は外貨建長期金銭債権債務として扱うこととしたことであ

る。これは、改訂基準では、いわゆるヘッジ会計に関する基準そのものは将来の検討に委ねるとい

う立場から、ヘッジ効果を反映させるために損益を繰り延べるという方法は避け、外貨建金銭債権

債務の換算という枠内で対処することとしたためである。

(6)

改訂基準では、いわゆるデリバティブ取引自体の会計基準も将来の検討に委ねるという立場か

ら、振当処理で対応できる範囲内で、為替予約その他のデリバティブ取引の処理基準を示すにとど

めた。このため、振り当てられないデリバティブ取引の損益は、現行基準と同様に決済基準で認識

されることになる。しかし、これらのデリバティブ取引については、現行の会計慣行においても、

為替相場の変動状況によっては偶発債務の注記が求められる場合もあり、特に、重要な損失が見込

まれる場合は、引当金の設定が必要な場合もありうることに留意すべきである。

2. 在外支店の財務諸表の換算基準

在外支店の財務諸表の換算基準は、現行基準のテンポラル法の考え方を踏襲した。これは、在外支店の財

務諸表は個別財務諸表の構成要素となるので、本店の外貨建項目の換算基準と整合的であることが望ましい

と判断したためである。

3. 在外子会社等の財務諸表の換算基準

(1)

在外子会社等の財務諸表の換算基準は、現行基準を変更し、決算日レート法の考え方を採用し

た。現行基準のいわゆる修正テンポラル法については、いくつかの問題点が指摘されており、その

再検討が求められてきた。改訂基準が決算日レート法の考え方を採用したのは、在外子会社等の独

立事業体としての性格が強くなり、現地通貨による測定値そのものを重視する傾向が強まったこと

も1つの理由であるが、テンポラル法による財務諸表項目の換算が実務的に著しく困難となってい

るという事情を考慮したことが、最も大きな理由である。

(2)

在外子会社等の財務諸表の換算に決算日レートを適用する方法にはいくつかの形態があると考え

られるが、改訂基準の換算方法の要点は、次のとおりである。

資産及び負債は決算時の為替相場により換算する。

資本に属する項目については、親会社による株式取得時における項目は、株式取得時の為替

相場により換算し、その他の項目は発生時の為替相場により換算する。

収益及び費用は決算時の為替相場または期中平均相場により換算する。

資産及び負債の換算に用いる為替相場と資本に属する項目の換算に用いる為替相場とが異な

ることによって生じる換算差額は、為替換算調整勘定として、資産の部または負債の部に計上

する。

(3)

当期純利益は決算時に確定されたものであるので、在外子会社等の貸借対照表の資本項目に含ま

れる当期純利益の額は決算時の為替相場により換算すべきであるという考え方を採れば、在外子会

社等の収益及び費用は決算時の為替相場により換算するのが適切である。他方、当期純利益は1期

間にわたって生じたものであるので、貸借対照表の資本項目に含まれる当期純利益の額は、期中平

均相場により換算すべきであるという考え方を採れば、収益及び費用は期中平均相場により換算す

るのが適切である。期中平均相場による換算は、また、月次決算、四半期決算等の利益の累計額と

して年次利益を計算する場合とも整合する。これらの点を考慮して、改訂基準では、収益及び費用

の換算基準として決算時の為替相場と期中平均相場のいずれを用いることも認めることとした。

(4)

改訂基準では、為替換算調整勘定を、貸借対照表上、資産の部または負債の部に記載することと

したが、これを資本の部に記載する考え方もある。両者の違いは、換算後の子会社等の資本の額と

して、決算時の為替相場により換算した資産・負債の差額を重視するか、取得時または発生時の為

替相場により換算した資本項目の総額を重視するかにある。改訂基準がこれを資産の部または負債

の部に記載することとしたのは、次のような考え方によっている。

すなわち、現地通貨による財務諸表そのものを重視する決算日レート法の主旨からすれば、現地

通貨による子会社等の財務諸表上で資本の増減が認識された場合にのみ、換算後の当該子会社等の

資本の増減を認識することになるが、為替換算調整勘定は子会社等の財務諸表の換算過程で生じる

ものであり、現地通貨で認識された子会社等の資本の増減を意味するものではない。したがって、

これを資本の部に含めるのは適切ではないという考え方である。さらに、為替換算調整勘定を資本

の部に記載すれば、事実上、留保利益の増減を損益計算書を経由することなく認識することになる

が、それは、わが国の現行制度上の基本的な考え方とも相容れないと考えたためである。

なお、この場合に貸借対照表の資産の部または負債の部に記載された為替換算調整勘定は、決算

時の為替相場により換算した子会社等の資産・負債の差額を取得時または発生時の為替相場により

換算した資本項目の総額に一致させるための、資産・負債全体に対する包括的な調整項目と解すべ

きものであり、資産性または負債性をもつ独立の項目を意味するものではない。

Ⅲ 改訂基準の適用

外国為替の売買取引または外貨建ての売買取引を主たる営業活動としている企業については、その企業の

特殊性から、改訂基準に示された会計処理及び表示方法をそのまま適用することが適当でない場合も考えら

れる。このような場合に、他の合理的な会計処理及び表示方法を採用することが認められるのは、従前のと

おりである。

外貨建取引等会計処理基準の改訂に関する意見書

平成11年10月22日

企業会計審議会

一 経 緯

当審議会は、外貨建取引に関する取引慣行及び会計実務の進展等を踏まえ、平成7年5月に「外貨建取引

等会計処理基準」の改訂を行ったが、その後、ここ数年間に多くの新たな会計基準の設定や従来の会計基準

の改訂を行い、その際、従来の考え方が大きく転換されているものもある。特に、平成11年1月22日に当審

議会が公表した「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「金融商品に係る会計基準」とい

う。)において、金融商品全般に係る会計基準の整備が行われており、企業の財務活動の実態を適切に財務

諸表に反映させ、投資家に対して的確な財務情報を提供することの必要性や会計基準の国際的調和化などの

観点から、一定の金融資産について時価評価を導入し、併せて、ヘッジ会計も採用したところである。

このように新たな会計基準が設定された状況において、金融商品に係る会計基準との整合性等を考慮し、

現行の「外貨建取引等会計処理基準」について見直しを行うことが必要となった。このため、当審議会は、

平成11年2月以降、「外貨建取引等会計処理基準」の改訂について審議を重ね、平成11年6月に「外貨建取

引等会計処理基準の改訂に関する意見書(公開草案)」を公表して、広く各界の意見を求めた。当審議会

は、寄せられた意見を参考にしつつ更に審議を行い、公開草案の内容を一部修正して、これを「外貨建取引

等会計処理基準の改訂に関する意見書」として公表することとした。

二 改訂の基本的考え方

1. 換算基準の基本的考え方

外貨建資産負債の換算については、従来、貨幣・非貨幣法に流動・非流動法を加味した考え方を採用して

きた。すなわち、貨幣項目の換算については、為替相場の変動が企業会計に与えている暫定的な影響(換算

差額)も認識する考え方を原則としつつ、回収又は弁済の期限が決算日の翌日から起算して1年を超える金

銭債権債務については、その為替相場の変動の確定的な影響(為替決済損益)が短期的には発生しないこと

を考慮し、為替換算による暫定的な為替相場の影響を認識しないこととしている。具体的には、決算時にお

いて、外貨建短期金銭債権債務は決算時の為替相場により、外貨建長期金銭債権債務は取得時又は発生時の

為替相場により円換算することとしている。また、非貨幣項目については、有価証券に低価基準を適用する

場合以外は、決算時において取引発生時の為替相場を換算替えしないこととしている。現行基準は、原価評

価を基本とした従来の評価基準の枠組みの中で、貨幣項目については、決済時までの期間に係る為替相場の

変動の不確実性を考慮しつつ、為替相場の変動をなるべく財務諸表に反映させる考え方である。

今般の現行基準の見直しにおいては、金融商品に係る会計基準の考え方との整合性等を考慮した結果、為

替相場の変動を財務諸表に反映させることをより重視する観点から、次のような考え方を採用した。

(1)

外貨建金銭債権債務については、外貨額では時価の変動リスクを負わず、したがって時価評価の

対象とならないものであっても、円貨額では為替相場の変動リスクを負っていることを重視し、流

動・非流動法による区分は設けずに決算時の為替相場により換算することを原則とすることとし

た。

(2)

満期保有目的の債券については金銭債権との類似性を考慮して、決算時の為替相場により換算

し、その換算差額は当期の損益として処理することとした。なお、満期償還外貨を円転せずに固定

資産等に再投資する目的で債券を保有している場合は、その換算差額を繰り延べて再投資する資産

の取得価額の調整に充てることができる。

(3)

金融商品に係る会計基準において時価評価を行うこととされている売買目的有価証券やその他有

価証券に属する外貨建有価証券に関する換算は、その円貨額による時価評価額を求める過程として

の換算であることから、このような有価証券の時価の算定には決算時の為替相場を用いることとし

た。

この場合、有価証券を時価評価したことによる評価差額は、金融商品に係る会計基準に基づいて

処理されることとなる。したがって、売買目的有価証券の評価差額は当期の損益として処理され、

その他有価証券の評価差額は税効果会計を適用した上で資本の部に計上される。ただし、評価差額

には外国通貨による時価の変動を決算時の為替相場で換算したことにより生じる差額と外国通貨に

よる取得原価を決算時の為替相場で換算したことにより生じる差額がある。そのため、その他有価

証券に属する債券については、金銭債権債務の換算方法との整合性の観点から、価格変動リスクと

為替変動リスクを分解して取り扱い、外国通貨による取得原価に係る換算差額は当期の損益に計上

するという考え方がある。その他有価証券に属する有価証券は、その保有目的が多義的であること

等から、このような考え方も考慮し、債券については取得原価に係る換算差額を損益に計上するこ

ともできることとした。

2. ヘッジ会計との関係

現行基準では、為替予約、通貨先物、通貨スワップ及び通貨オプション(以下「為替予約等」という。)

が付されている外貨建金銭債権債務の換算等においてヘッジの効果を反映する処理が部分的に導入されてい

るが、ヘッジ会計に関する基準そのものは将来の検討に委ねられていた。今般、金融商品に係る会計基準に

おいてヘッジ会計の基準が整備されたことから、外貨建取引についても、原則的には金融商品に係る会計基

準におけるヘッジ会計が適用されることになる。特にそこでは、キャッシュ・フローを固定させて満期まで

の成果を確定する「キャッシュ・フロー・ヘッジ」の概念のもとで、時価評価損益を繰り延べてその成果を

期間配分する「繰延ヘッジ」の会計処理が認められている。そのため、外貨建取引についてもキャッシュ・

フロー・ヘッジと共通する考え方に基づき、為替予約等によって円貨でのキャッシュ・フローが固定されて

いるときには、その円貨額により金銭債権債務を換算し、直物為替相場との差額を期間配分する方法(以下

「振当処理」という。)が適用できることになる。このようなことから、今般の改訂では、金融商品に係る

会計基準を踏まえ、為替予約等の振当処理の方法を統一することとした。なお、金融商品に係る会計基準に

おいては、デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務は金融資産又は金融負債として認識すること

となるが、振当処理を適用した場合には、金銭債権債務に振り当てた為替予約等は個別には認識されないこ

ととなる。ただし、予定取引をヘッジ対象としている場合には、為替予約等の評価差額は貸借対照表に計上

して繰り延べることとなる。

3. 為替換算調整勘定の処理

現行基準では、在外子会社等の財務諸表の換算においては、現地通貨による財務諸表そのものを重視する

考え方から、現地通貨による子会社等の資本の増減が認識された場合にのみ、換算後の当該子会社等の資本

の増減を認識することとしている。さらに、為替換算調整勘定は子会社等の財務諸表の換算過程で生じるも

のであり、これを資本の部に記載すれば、留保利益の増減が損益計算書を経由することなく認識されること

になるため、従来の制度上の基本的な考え方とも相容れないことから、為替換算調整勘定を、貸借対照表

上、資産の部又は負債の部に記載することとしている。

しかし、金融商品に係る会計基準において、その他有価証券に係る評価差額を損益計算書を経由せずに資

本の部に直接計上する考え方が導入され、従来の制度上の基本的考え方が一部変更された。その結果、その

他有価証券に係る換算差額も評価差額として資本の部に計上することとしており、同様に、在外子会社等の

資本に係る換算差額についても損益計算書を経由せずに貸借対照表の資本の部に直接計上することが可能で

あると考えられた。

さらに、連結財務諸表原則の見直しにより、従来の個別情報中心のディスクロージャーから連結情報中心

のディスクロージャーへの転換が行われており、国際的な会計基準との調和化や財務諸表の比較可能性の確

保等の観点を重視するとの要請をも考慮し、今般の改訂において、為替換算調整勘定は資本の部に計上する

こととした。

三 改訂基準の要点

1.  外貨建取引に係る取引時の円換算については、当該取引発生時の為替相場により円換算するとの考

え方は変更していないが、為替取引が一層自由化されたこと等の経済環境の変化を踏まえ、恒常的に外国通

貨を円転せずに決済に充てることとしている等合理的と認められる場合には、外貨建取引を外国通貨で記録

し、一定期間ごとに円換算する方法も採用できることとした。

2.  外貨建金銭債権債務については、短期・長期の区分をせず、決算時の為替相場により円換算し、換

算差額は原則として当期の損益として処理することとした。なお、現行基準における外貨建長期金銭債権債

務について重要な為替差損が生じている場合の取扱いは必要とされないため廃止した。

3.  為替予約等については、金融商品に係る会計基準におけるヘッジ会計の要件を充たす場合には、振

当処理を採用することを認めることとしたことから、ヘッジ会計の要件は金融商品に係る会計基準に委ね、

現行基準における個別の要件は削除した。したがって、通貨スワップ契約のうち受取円貨額又は支払円貨額

が為替予約による円貨額と同等と認められるもの及び直先フラット型のものはヘッジ会計の要件を満たすこ

とになるので振当処理が認められるが、これら以外のものは振当処理は認められないこととなる。

また、外貨建金銭債権債務の取得時又は発生時の円貨額と為替予約等による円貨額との差額の処理につい

ては、外貨建金銭債権債務について短期・長期の区分をしないことから、予約時までの為替相場の変動

(直々差額)については予約日の属する期の損益として処理し、残額(直先差額)については期間配分する

方法に統一した。

4.  外貨建有価証券の換算については、満期保有目的の債券は決算時の為替相場により円換算すること

とし、換算差額は当期の損益として処理することとした。また、金融商品に係る会計基準により時価評価さ

れる有価証券については、外国通貨による時価を決算時の為替相場により円換算することとし、評価差額に

含まれる換算損益は、原則として、金融商品に係る会計基準における評価差額の処理方法によることとし

た。ただし、その他有価証券に属する債券については、外国通貨による取得原価に係る換算差額を当期の為

替差損益として処理することも認めることとした。

なお、子会社株式及び関連会社株式については、従来の換算基準を踏襲し、取得時の為替相場により円換

算することとしている。

5.  デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務等、金融商品に係る会計基準により時価評価さ

れる金融商品の時価については、有価証券の時価評価と同様、外国通貨による時価を決算時の為替相場によ

り円換算することにより求めることとした。

6.  財務諸表の注記については、外貨建金銭債権債務を原則として決算時の為替相場により円換算する

こととしたため、従来の外貨建長期金銭債権債務に係る決算時の為替相場による円換算額の注記は必要ない

と考えられたことから、注記事項は削除することとした。なお、外貨建有価証券その他の外貨建金融商品に

ついて必要と認められる注記事項については、金融商品全般に係る注記事項のなかに含まれることとなる。

7.  在外支店の財務諸表項目の換算については、基本的に従来の考え方を踏襲し、本店と同様の方法に

よることを原則とした上で特例を認めることを明確にした。収益及び費用の換算に係る特例においては、本

店と同じく取引発生時の為替相場により換算することに代えて、期中平均相場により円換算することができ

ることとした。また、貸借対照表項目の換算に係る特例においては、本店と同じく取得時の為替相場により

換算することに代えて、たな卸資産及び有形固定資産等の非貨幣性資産の額に重要性がない場合には、すべ

ての貸借対照表項目について決算時の為替相場により円換算することができることとした。なお、この場合

においても、損益項目は本店と同様の方法又は期中平均相場により円換算することを基本としつつ、決算時

の為替相場によることも妨げないこととした。

8.  在外子会社等の財務諸表の換算に関しては、資産及び負債については決算時の為替相場により円換

算し、資本については親会社による株式の取得時の為替相場を付する等基本的に従来の換算基準を踏襲した

が、損益項目の円換算に関しては、期中平均相場によることを原則としつつ、決算時の為替相場によること

も妨げないこととした。

また、為替換算調整勘定は資本の部に記載することとし、子会社に対する持分への投資に係る為替相場の

変動をヘッジするためのヘッジ手段から生じる為替換算差額について、そのヘッジの効果を連結財務諸表に

反映させることを可能とするため、これを連結財務諸表上、為替換算調整勘定に含めて処理する方法を採用

することもできることとした。なお、為替換算調整勘定についても税効果会計の対象となり得るが、為替換

算調整勘定は子会社等の株式を処分したときなどに限り損益として実現するものであることを踏まえ、税効

果会計の適用に際しては慎重な配慮が必要である。

四 改訂基準の適用

1.  改訂基準は、平成12年4月1日以後開始する事業年度から適用する。ただし、その他有価証券の換

算基準に関しては、金融商品に係る会計基準に基づきその他有価証券の時価評価を行う事業年度から適用す

ることとし、それまでは、従前の基準によることとする。

2.  為替換算調整勘定の表示に関しては、平成12年4月1日前に開始する連結会計年度から適用するこ

とを妨げないこととする。

3.  多数の外貨建金融資産又は外貨建金融負債を保有している金融機関等においては、金融商品に係る

会計基準及び本基準の趣旨を踏まえ、より合理的な会計処理及び表示方法を採用することが認められる。

4.  改訂基準を適用する場合の具体的な指針等については、金融商品に係る会計基準の適用に関する実

務指針を踏まえて、業種固有の問題も含め、日本公認会計士協会が関係者と協議の上適切に措置することが

必要である。

外貨建取引等会計処理基準

昭和54年6月26日

最終改正 平成11年10月22日

企業会計審議会

一 外貨建取引

1. 取引発生時の処理

外貨建取引は、原則として、当該取引発生時の為替相場による円換算額をもって記録する。ただし、外貨

建取引に係る外貨建金銭債権債務と為替予約等との関係が「金融商品に係る会計基準の設定に関する意見

書」(以下「金融商品に係る会計基準」という。)における「ヘッジ会計の要件」を充たしている場合に

は、当該外貨建取引についてヘッジ会計を適用することができる。(注1)(注2)(注3)(注4)(注

5)(注6)(注7)

2. 決算時の処理

(1)

換算方法

外国通貨、外貨建金銭債権債務、外貨建有価証券及び外貨建デリバティブ取引等の金融商品につ

いては、決算時において、原則として、次の処理を行う。ただし、外貨建金銭債権債務と為替予約

等との関係が金融商品に係る会計基準における「ヘッジ会計の要件」を充たしている場合には、当

該外貨建金銭債権債務等についてヘッジ会計を適用することができる。(注4)(注5)(注6)

(注7)(注8)

外国通貨

外国通貨については、決算時の為替相場による円換算額を付する。

外貨建金銭債権債務(外貨預金を含む。以下同じ。)

外貨建金銭債権債務については、決算時の為替相場による円換算額を付する。ただし、外貨

建自社発行社債のうち転換請求期間満了前の転換社債(転換請求の可能性がないと認められる

ものを除く。)については、発行時の為替相場による円換算額を付する。(注9)

外貨建有価証券

満期保有目的の外貨建債券については、決算時の為替相場による円換算額を付する。(注

9)

売買目的有価証券及びその他有価証券については、外国通貨による時価を決算時の為替相

場により円換算した額を付する。

子会社株式及び関連会社株式については、取得時の為替相場による円換算額を付する。

外貨建有価証券について時価の著しい下落又は実質価額の著しい低下により評価額の引下

げが求められる場合には、当該外貨建有価証券の時価又は実質価額は、外国通貨による時

価又は実質価額を決算時の為替相場により円換算した額による。

デリバティブ取引等

デリバティブ取引等①から③に掲げるもの以外の外貨建ての金融商品の時価評価において

は、外国通貨による時価を決算時の為替相場により円換算するものとする。

(2)

換算差額の処理

決算時における換算によって生じた換算差額は、原則として、当期の為替差損益として処理す

る。ただし、有価証券の時価の著しい下落又は実質価額の著しい低下により、決算時の為替相場に

よる換算を行ったことによって生じた換算差額は、当期の有価証券の評価損として処理する。ま

た、金融商品に係る会計基準による時価評価に係る評価差額に含まれる換算差額については、原則

として、当該評価差額に関する処理方法に従うものとする。(注10)

3. 決済に伴う損益の処理

外貨建金銭債権債務の決済(外国通貨の円転換を含む。)に伴って生じた損益は、原則として、当期の為

替差損益として処理する。

二 在外支店の財務諸表項目の換算

在外支店における外貨建取引については、原則として、本店と同様に処理する。ただし、外国通貨で表示

されている在外支店の財務諸表に基づき本支店合併財務諸表を作成する場合には、在外支店の財務諸表につ

いて次の方法によることができる。(注11)

1. 収益及び費用の換算の特例

収益及び費用(収益性負債の収益化額及び費用性資産の費用化額を除く。)の換算については、期中平均

相場によることができる。(注12)

2. 外貨表示財務諸表項目の換算の特例

在外支店の外国通貨で表示された財務諸表項目の換算にあたり、非貨幣性項目の額に重要性がない場合に

は、すべての貸借対照表項目(支店における本店勘定等を除く。)について決算時の為替相場による円換算

額を付する方法を適用することができる。この場合において、損益項目についても決算時の為替相場による

ことを妨げない。

3. 換算差額の処理

本店と異なる方法により換算することによって生じた換算差額は、当期の為替差損益として処理する。

三 在外子会社等の財務諸表項目の換算

連結財務諸表の作成又は持分法の適用にあたり、外国にある子会社又は関連会社の外国通貨で表示されて

いる財務諸表項目の換算は、次の方法による。

1. 資産及び負債

資産及び負債については、決算時の為替相場による円換算額を付する。

2. 資 本

親会社による株式の取得時における資本に属する項目については、株式取得時の為替相場による円換算額

を付する。

親会社による株式の取得後に生じた資本に属する項目については、当該項目の発生時の為替相場による円

換算額を付する。

3. 収益及び費用

収益及び費用については、原則として期中平均相場による円換算額を付する。ただし、決算時の為替相場

による円換算額を付することを妨げない。なお、親会社との取引による収益及び費用の換算については、親

会社が換算に用いる為替相場による。この場合に生じる差額は当期の為替差損益として処理する。(注12)

4. 換算差額の処理

換算によって生じた換算差額については、為替換算調整勘定として貸借対照表の資本の部に記載する。

(注13)

外貨建取引等会計処理基準注解

注1 外貨建取引の範囲について

外貨建取引とは、売買価額その他取引価額が外国通貨で表示されている取引をいう。

外貨建取引には、(イ)取引価額が外国通貨で表示されている物品の売買又は役務の授受、(ロ)決済金額が

外国通貨で表示されている資金の借入又は貸付、(ハ)券面額が外国通貨で表示されている社債の発行、(ニ)

外国通貨による前渡金、仮払金の支払又は前受金、仮受金の受入及び(ホ)決済金額が外国通貨で表示されて

いるデリバティブ取引等が含まれる。

なお、国内の製造業者等が商社等を通じて輸出入取引を行う場合であっても、当該輸出入取引によって商

社等に生ずる為替差損益を製造業者等が負担する等のため実質的に取引価額が外国通貨で表示されている取

引と同等とみなされるものは、外貨建取引に該当する。

注2 取引発生時の為替相場について

取引発生時の為替相場としては、取引が発生した日における直物為替相場又は合理的な基礎に基づいて算

定された平均相場、例えば取引の行われた月又は週の前月又は前週の直物為替相場を平均したもの等、直近

の一定期間の直物為替相場に基づいて算出されたものによる。ただし、取引が発生した日の直近の一定の日

における直物為替相場、例えば取引の行われた月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当

週の初日の直物為替相場によることも妨げない。

注3 外国通貨による記録について

外貨建債権債務及び外国通貨の保有状況並びに決済方法等から、外貨建取引について当該取引発生時の外

国通貨により記録することが合理的であると認められる場合には、取引発生時の外国通貨の額をもって記録

する方法を採用することができる。この場合には、外国通貨の額をもって記録された外貨建取引は、各月末

等一定の時点において、当該時点の直物為替相場又は合理的な基礎に基づいて算定された一定期間の平均相

場による円換算額を付するものとする。

注4 外貨建金銭債権債務について

外貨建金銭債権債務とは、契約上の債権額又は債務額が外国通貨で表示されている金銭債権債務をいう。

注5 為替予約等について

為替予約等には、通貨先物、通貨スワップ及び通貨オプションが含まれる。

注6 ヘッジ会計の方法について

ヘッジ会計を適用する場合には、金融商品に係る会計基準における「ヘッジ会計の方法」によるほか、当

分の間、為替予約等により確定する決済時における円貨額により外貨建取引及び金銭債権債務等を換算し直

物為替相場との差額を期間配分する方法(以下「振当処理」という。)によることができる。

注7 為替予約等の振当処理について

外貨建金銭債権債務等に係る為替予約等の振当処理(当該為替予約等が物品の売買又は役務の授受に係る

外貨建金銭債権債務に対して、取引発生時以前に締結されたものである場合を除く。)においては、当該金

銭債権債務等の取得時又は発生時の為替相場(決算時の為替相場を付した場合には当該決算時の為替相場)

による円換算額と為替予約等による円貨額との差額のうち、予約等の締結時までに生じている為替相場の変

動による額は予約日の属する期の損益として処理し、残額は予約日の属する期から決済日の属する期までの

期間にわたって合理的な方法により配分し、各期の損益として処理する。ただし、当該残額について重要性

が乏しい場合には、当該残額を予約日の属する期の損益として処理することができる。

取得時又は発生時の為替相場による円換算額と為替予約等による円貨額との差額のうち次期以降に配分さ

れる額は、貸借対照表上、資産の部又は負債の部に記載する。

注8 決算時の直物為替相場について

決算時の直物為替相場としては、決算日の直物為替相場のほか、決算日の前後一定期間の直物為替相場に

基づいて算出された平均相場を用いることができる。

注9 償却原価法における償却額の換算について

外貨建金銭債権債務及び外貨建債券について償却原価法を適用する場合における償却額は、外国通貨によ

る償却額を期中平均相場により円換算した額による。

注10 その他有価証券に属する債券の換算差額の処理について

その他有価証券に属する債券については、外国通貨による時価を決算時の為替相場で換算した金額のう

ち、外国通貨による時価の変動に係る換算差額を評価差額とし、それ以外の換算差額については為替差損益

として処理することができる。

注11 在外支店のたな卸資産に係る低価基準等について

在外支店において外国通貨で表示されているたな卸資産について低価基準を適用する場合又は時価の著し

い下落により評価額の引下げが求められる場合には、外国通貨による時価又は実質価額を決算時の為替相場

により円換算した額による。

注12 期中平均相場について

収益及び費用の換算に用いる期中平均相場には、当該収益及び費用が帰属する月又は半期等を算定期間と

する平均相場を用いることができる。

注13 子会社持分投資に係るヘッジ取引の処理について

子会社に対する持分への投資をヘッジ対象としたヘッジ手段から生じた為替換算差額については、為替換

算調整勘定に含めて処理する方法を採用することができる。