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としての手数料を「売上高」として表示している企業も存在しており、また、複数の
性質の収益が生じている場合に、1 つの表示科目にまとめて表示している企業や、複
数の表示科目に分けて表示している企業も存在している。これらの表示方法は、各々
の業種、企業によって、これまで実態に応じて適切な表示科目が用いられてきたもの
と考えられ、一定の表示科目に統一することのコンセンサスを得ることは難しいもの
と考えられる。
(2) 国際的な会計基準を適用した海外の企業の財務諸表においても、「収益」、「顧客との
契約から生じる収益」、「売上高」など、さまざまな表示科目が用いられていると考え
られる。
(3) これまでも実態に応じて適切な表示科目が選択されてきたものと考えられる。
なお、適用指針第 104-2 項において、顧客との契約から生じる収益の適切な科目につい
ては、例えば、売上高、売上収益、営業収益等として表示することとした。
156. 2019 年公開草案において、「顧客との契約から生じる収益」について、それ以外の収益
と区分して損益計算書に表示するか又は顧客との契約から生じる収益の額を注記するこ
とを提案した。これに対し、「顧客との契約から生じる収益」の範囲が必ずしも明らかでは
ないとの意見が寄せられた。この点、本会計基準は、第 3 項に掲げる 7 項目を除く顧客と
の契約から生じる収益に関する会計処理及び開示に適用される(第 3 項参照)ことから、
第 78-2 項の「顧客との契約から生じる収益」は、第 3 項に掲げる 7 項目を除く顧客との
契約から生じる収益を指し、当該収益とそれ以外の収益を区分して損益計算書に表示する
か又は顧客との契約から生じる収益の額を注記することになる。
157. 2018 年会計基準においては、損益計算書における顧客との契約から生じる収益と金融要
素の影響(受取利息又は支払利息)の区分表示の要否について、2018 年会計基準が適用さ
れる時までに検討することとしていた。
2020 年改正会計基準の審議の過程において、我が国においては欧米とは異なり、毎月出
来高を企業と顧客で確認して企業が月次で顧客に請求する実務慣行は多くは見られない
こと、また、金融要素の提供の意図はないにもかかわらず、約束した財又はサービスを顧
客に移転する時点と顧客が支払を行う時点の間が 1 年以上であると見込まれる場合もある
と考えられることから、損益計算書上、重要な金融要素の影響を顧客との契約から生じる
収益に含めて計上したうえで、当該影響の注記のみを求めることの是非についての意見が
聞かれた。
検討の結果、2018 年会計基準では、国際的な比較可能性等を考慮し、金融要素が含まれ
る場合の取扱いについて、IFRS 第 15 号と同様の処理を行うこととしていること、また、
損益計算書上、顧客との契約から生じる収益に金融要素の影響を含めて計上して当該影響
を注記する場合には、財務諸表本表における国際的な比較可能性が損なわれる可能性があ
ると考えられることから、2020 年改正会計基準において、損益計算書上、顧客との契約か
ら生じる収益と金融要素の影響を区分して表示することとした(第 78-3 項参照)。