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については、一般的に、繰延税金資産の全額について、その回収可能性があると判断で
きる。なお、この場合には、前述 4.のスケジューリングが不能な将来減算一時差異に
ついても、将来スケジューリングが可能となった時点で課税所得が発生する蓋然性が
高いため、当該将来減算一時差異に係る繰延税金資産については回収可能性があると
判断できるものとする。」とする監査委員会報告第 66 号の定めの内容も踏襲している
(第 18 項参照)。
67-2. 税効果適用指針を審議する過程で、完全支配関係(法人税法第 2 条 12 の 7 の 6 号)
にある国内の子会社株式の評価損のように、当該子会社株式を売却したときには税務
上の損金に算入されるが、当該子会社を清算したときには税務上の損金に算入されな
いこととされているものについて、当該子会社株式を将来売却するか、当該子会社を清
算するか等が判明していない場合に、一時差異(将来減算一時差異)として取り扱うか
否かが明確ではないとの意見が聞かれた(税効果適用指針第 80 項)。
67-3. これについては、当該子会社株式を将来売却するか、当該子会社を清算するか等が
判明していない場合であっても、個別貸借対照表に計上されている資産の額と課税所
得計算上の資産の額との差額は、当該差額が解消する時にその期の課税所得を減額す
る効果を有する可能性があることから、本適用指針第 3 項(3)に定める一時差異が解消
する時にその期の課税所得を減額する効果を持つものに含め、一時差異(将来減算一時
差異)に該当するものと整理することとした(税効果適用指針第 81 項)。
67-4. これに関連し、例えば、完全支配関係にある国内の子会社株式の評価損について、
企業が当該子会社を清算するまで当該子会社株式を保有し続ける方針がある場合等、
将来において税務上の損金に算入される可能性が低い場合に当該子会社株式の評価損
に係る繰延税金資産の回収可能性はないと判断することが適切であると考えられる。
したがって、平成 30 年改正適用指針においては、(分類 1)に該当する企業において、
将来の状況により税務上の損金に算入されない項目に係る一時差異について、例外的
に回収可能性がないと判断する場合があることを明らかにするため、繰延税金資産の
全額を回収可能性があるものとする取扱いに、「原則として、」との文言を追加した(第
18 項参照)。
67-5. また、第 67-2 項から第 67-4 項に関連し、平成 30 年改正適用指針の公開草案に寄せ
られたコメントの中には、税効果適用指針において子会社株式等に係る将来加算一時
差異に関する取扱いを見直しているため、(分類 1)に該当する企業において繰延税金
資産の回収可能性はないと判断される例外的な取扱いとして、前項における完全支配
関係にある国内の子会社株式の評価損に係る将来減算一時差異だけではなく、子会社
株式等の評価損に係る将来減算一時差異も対象としてはどうかという意見があった。
この点、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性については、第 63 項の
とおり、本適用指針では、監査委員会報告第 66 号における企業の分類に応じた取扱い
の枠組みを基本的に踏襲しており、平成 27 年適用指針では、(分類 1)に該当する企業