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結論の背景
経 緯
15. 我が国における関連当事者の開示は、これまで、特定の会計基準に基づくものでは
なく、証券取引法上の規則に基づき行われてきた。
平成 2 年以前、役員及び支配株主との取引の開示については、有価証券報告書等の「関
係会社に関する事項」の中で行われていたが、平成 2 年 6 月に日米構造協議最終報告の
中で、「関連当事者との取引の開示の充実」が盛り込まれ、関連当事者との取引の開示
範囲を米国財務会計基準書第 57 号「関連当事者の開示」(以下「SFAS 第 57 号」とい
う。)と同様にすることとし、関連会社、主要株主、その他重要な関連当事者との取引
まで開示範囲が拡充されることとなった。これに基づき、平成 2 年 12 月に「企業内容
等の開示に関する省令」の改正が行われ、有価証券報告書等の「企業集団等の状況」に
「関連当事者との取引」の項が設けられた。その改正理由としては、関連当事者との取
引は、一般には見ることのできない条件で行われることがあり、その状況が財務諸表か
ら容易に識別できないため、財務諸表作成会社の財政状態や経営成績に及ぼす影響を、
その利用者が適切に理解できるようにすべきであるという点が挙げられている。
その後、平成 9 年 6 月、企業会計審議会により公表された「連結財務諸表制度の見直
しに関する意見書」において、「関連当事者との取引」を連結財務諸表の注記とする方
針が示されたことを受けて、平成 10 年 11 月及び平成 11 年 3 月に連結財務諸表規則及
び財務諸表等規則等が改正され、「関連当事者との取引」は、連結財務諸表又は財務諸
表の注記事項となり、監査対象になった。また、監査上の実務指針として、平成 11 年
4 月に日本公認会計士協会 監査委員会報告第 62 号「関連当事者との取引に係る情報の
開示に関する監査上の取扱い」が公表された。
このように、我が国における関連当事者の開示は、専ら、証券取引法上の規則に基づ
いて行われてきた。しかし、関連当事者の開示に関する規定は、米国会計基準や国際財
務報告基準などの国際的な会計基準では、会計基準の 1 つとして位置付けられている。
また、関連当事者の定義や開示する取引範囲などについては、我が国の現行の財務諸表
等規則及び連結財務諸表規則(以下「証券取引法関係規則」という。)と国際的な会計
基準には差異が見られる状況にある。
こうした中、関連当事者の開示については、いわゆる「純粋持株会社」(グループ全
体の経営戦略の立案及び子会社管理に専念し、株式所有を通じて、実際に製造・販売な
どの事業活動を行う会社を支配する会社をいう。以下同じ。)の増加を踏まえて見直す
べきではないかという指摘があることに加え、平成 17 年 3 月から開始した当委員会と
国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)との会計基準のコンバージェンスに向け
た共同プロジェクトでの検討項目とされ、協議を行った。当委員会は、こうした状況も
踏まえ、現行の証券取引法関係規則と国際会計基準第 24 号「関連当事者についての開